1,手首の骨折の主な種類と骨折箇所

手首周辺で多く見られる骨折には、橈骨遠位端骨折(別名:コーレス骨折)、スミス骨折舟状骨骨折月状骨脱臼、そしてバートン骨折があります。
コーレス骨折は転倒時に手をついた際に発生しやすく、手の甲側に骨がずれてしまうことが特徴です。
これに対して、スミス骨折は手のひら側に骨がずれるタイプの骨折です。
舟状骨骨折は痛みが軽い場合も多く、見逃されることがあるため注意が必要です。
月状骨脱臼は手首の中央にある骨が脱臼する珍しいケースで、強い痛みを伴います。
バートン骨折は関節部分が折れる骨折で、通常よりも重い症状が現れるため、整形外科的な治療が必要です。

2,骨折の原因とそのリスクファクター

手首の骨折の原因として最も一般的なのは、転倒です。
特に高齢者や骨粗鬆症のある方では、転倒時に手をついた際に骨折が発生しやすく、コーレス骨折スミス骨折が典型的です。
また、スポーツや運動も手首の骨折の大きな原因となります。
特に手首に負荷がかかるスポーツや転倒リスクが高いアクティビティでは、舟状骨やその他の手首周辺の骨折が発生することがあります。
さらに、交通事故や外傷も手首の骨折を引き起こす要因であり、これらのケースでは強い外力が手首に加わり、バートン骨折や月状骨脱臼が発生することがあります。
リスク要因としては、高齢者や骨粗鬆症が挙げられますが、日々の運動不足も骨折リスクを高める要因となります。

3,整形外科的な治療方法:ギプス、手術、リハビリ

手首の骨折に対する治療方法は、骨折の種類や症状の重さによって異なります。
保存療法では、ギプスやシーネで手首を固定し、自然治癒を促す方法が採用されます。
軽度のコーレス骨折や舟状骨骨折に適しています。手術療法は、骨がずれてしまったり、関節部分が損傷している場合に行われ、ピンやプレート、ネジを用いて骨を正しい位置に固定します。
バートン骨折や月状骨脱臼では骨が複雑にずれていることが多く、手術療法が必要です。
手術後は、適切なリハビリを行うことで、手首の機能を回復させます。
理学療法リハビリは手首の可動域を取り戻し、筋力を強化し、再発を防ぐために重要です。
治療の成功には、手術後のケアと段階的なリハビリが欠かせません。

4,骨折からの回復期間:どのくらいで治るのか?

手首の骨折からの回復期間は、骨折の種類や治療法に応じて異なります。
軽度のコーレス骨折スミス骨折では、3〜6週間の固定と数週間から数ヶ月のリハビリが必要です。
舟状骨骨折は、固定のみの場合3〜4ヶ月、手術後の回復にはさらに4〜6ヶ月かかることもあります。
バートン骨折月状骨脱臼は、手術後の回復期間が長く、リハビリ期間も半年以上に及ぶことがあります。
いずれの場合も、リハビリは早期の回復と再発防止に欠かせない重要な要素です。

5,整骨院でのリハビリと再発防止のためのアドバイス

手首の骨折を予防するためには、日常生活や運動時に適切な注意を払うことが重要です。
転倒を防ぐためには、家の中の段差や滑りやすい場所に注意し、外出時には適切な靴を選ぶことが大切です。
さらに、筋力トレーニングやストレッチを日常的に行うことで、手首の骨折リスクを軽減できます。
特に高リスクのスポーツや作業では、手首を保護するためにサポーターやリストガードを使用することも有効です。

まとめ

手首の骨折は、コーレス骨折スミス骨折舟状骨骨折など、さまざまな種類があります。
これらの骨折は、転倒やスポーツ、外傷によって引き起こされることが多く、特に高齢者や骨粗鬆症のある方に発生しやすいです。
治療方法には、保存療法や手術療法があり、手術後は適切なリハビリが欠かせません。
骨折からの回復期間は骨折の種類によって異なり、リハビリをしっかりと行うことで早期の回復と再発防止が可能です。
予防のためには、日常生活での注意と適切な運動、保護具の使用が推奨されます。

次は割と整骨院の現場でも遭遇することが多い橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)について深堀りしていきます。