固定したら治るものも治りません

足首を捻挫したとしてそれをガチガチに固定したとしても治るのにはより多くの時間を要してしまいます。

もちろん固定してしまっては動かせないので痛みも出にくくはなりません。

動かせませんから当たり前です。

ですが、固定するということは周辺の筋肉が稼働できなくなるということですので、固定のついでに周辺の筋肉もだいぶ早い勢いで落ちてしまいます。

筋肉が落ちるという事は同時にその筋肉は縮んで固くなってしまうということですので、その固くなった筋肉が新たな痛みを引き起こす原因となります。

なので完全に痛みが消失するまではより多くの時間を要してしまうという事になる、つまり治るのが遅くなるのです。

 

固定しないとしたらどうするの?

当院でも捻挫した患者様にはテーピングも含めた治療を施しておりますが、それは『固定』というより『矯正』という概念に近く、あくまで《より良い状態で動かすため》のテーピングとなります。

まずはできるだけ手技で良い状態を作り、テーピングで足首の良い位置関係を維持しやすい状態を作り、その状態でどんどん使ってもらいます。

まずは治療の直後からどんどん歩いてもらうことにより、回復を促すといったイメージです。

これにより驚くほど痛みが改善します。

 

諫早市の現状

一昔前は全体的にとりあえず固定の風潮でしたが、今現在はカチコチの固定はだいぶ少なくなってきております。

しかし残念ながらここ諫早市ではそれが根強く残っている病院も複数存在します。

患者さんに聞いた話ではある病院に行ってカチカチに固定されたがその対応に疑問を持ち、次の日他の病院に行くとそれを即外された。結局骨折も無く数日後には普通に運動していた。

という話を聞きました。

この場合、もし最初に行った病院に従いずっと固定していたとすると、特に悪くもないのに固定をしてしまったばかりにただただ悪化させてしまうということになります。

どことは言えませんが、悲しい現実です。

 

骨折してた場合は?

当院でもし骨折の疑いがある患者様がいらした場合はこれはやはり一旦骨折の有無を確認すべく病院への紹介状をお渡ししております。

その結果もし骨折していた場合はこれはある程度の期間は固定した方が良いです。

その骨折の場所と状態によりカッチカチに固定するかシーネという取り外しができる固定具で固定するかという方法になります。

なんにせよ骨折がある場合は固定となります。

 

どうすれば早く治るか?

比較的強度の捻挫であっても割と痛みに強くて多少の痛みは気にしないタイプの方の方が治りも早くなります。

使うからです。

逆に少しの痛みにもどうしてもビクビクしてしまい思いっきりかばう動作ばかりしてしまう方は治るのも長くかかってしまう傾向にあります。

その辺の痛みに対する受容の問題は人それぞれですからある程度はしょうがないですが、要するに《使うこと》が非常に重要となります。

さらに、《良い状態で使うこと》により劇的に回復のスピードは速くなります。

その良い状態というのを当院では手技治療とテーピングにより再現するので、あとはとにかくまず歩いて頂くことを推奨しております。

 

 

 

 

 

しかしながら捻挫の場合、皆様方まずは骨折の有無が気になる所でしょう。

ほとんどの場合は当院にて判断できますが疑わしい場合は紹介状を書かせて頂いて病院の紹介も行っておりますので、とりあえずでも安心して受診下さい。