• 1、月状骨脱臼の概要とその場所
    • 月状骨の位置と役割
    • 月状骨脱臼の種類(完全脱臼・部分脱臼)
    • 月状骨脱臼が発生する状況
  • 2、 月状骨脱臼の原因
    • 手首への強い衝撃や繰り返しの負荷
    • スポーツや事故でのリスク
    • 月状骨の解剖学的特性
  • 3、 整形外科的見解
    • 月状骨脱臼の診断方法
    • X線、MRI、CTスキャンによる診断の重要性
    • 放置すると起こるリスク(偽関節や関節炎)
  • 4、 治療方法
    • 保存療法(固定やギプス)
    • 手術療法(ピンやプレートを使った固定)
    • 手術後のリハビリと回復プラン
  • 5、 緩解期間とリハビリのポイント
    • 緩解期間の目安(手術の場合・保存療法の場合)
    • リハビリで重要なポイント(筋力回復と可動域改善)
    • 予後管理と再発予防策

1、月状骨脱臼の概要とその場所

月状骨脱臼は、手首の中央に位置する月状骨が脱臼し、手首の機能が大きく損なわれる状態です。
月状骨は、手首を構成する8つの小さな骨の一つで、他の骨と連携して手の動きを滑らかにしています。
この脱臼には、完全に脱臼する完全脱臼と部分的にずれる部分脱臼の2種類があり、どちらも早期の診断と治療が重要です。
適切な治療が行われないと、慢性的な痛みや機能障害を引き起こす可能性があります。

2、 月状骨脱臼の原因

月状骨脱臼の主な原因は、手首に対する強い衝撃や捻りです。
転倒して手をついた際や、スポーツ中の過度な負荷が手首にかかることで、月状骨がずれてしまうことがよくあります。
特に、バスケットボール、スキー、スノーボードなどの激しい動きが伴うスポーツはリスクが高いです。
また、交通事故や高所からの転落などの事故によっても月状骨脱臼が引き起こされる場合があります。

月状骨は他の手首の骨に比べて血流が少ないという特徴があり、一度脱臼すると自然に回復するのが難しくなります。そのため、早期の診断と治療が不可欠です。

3、 整形外科的見解

月状骨脱臼の診断は、画像診断を用いて行われます。
最も一般的なのはX線撮影で、手首の骨のずれや骨折の有無を確認しますが、複雑なケースではCTスキャンMRIが必要になることもあります。
これらの詳細な検査によって、骨の状態や周囲の組織への影響を正確に把握し、適切な治療方針を決定します。

また、月状骨脱臼を放置してしまうと、手首の他の骨や軟骨に悪影響を及ぼし、最終的には偽関節手根管症候群、さらには関節炎を引き起こす可能性があります。
特に、血流の少ない月状骨では壊死が進行する恐れがあり、早急な処置が必要です。

4、 治療方法

月状骨脱臼の治療は、保存療法手術療法の2つが一般的です。
軽度の脱臼の場合、ギプスや固定具で手首を固定し、約4〜6週間程度安静にすることで回復を図る保存療法が選ばれます。
この期間中、痛みが徐々に軽減し、脱臼した月状骨が自然に元の位置に戻ることが期待されます。
特に、早期に診断され適切な固定が行われた場合、保存療法だけでも十分な効果が見込まれます。

しかし、脱臼が重度の場合や、保存療法が効果を発揮しない場合には、手術療法が必要となります。
手術では、脱臼した月状骨を元の位置に戻し、周囲の靭帯や組織を修復します。
また、骨のずれが激しい場合や、脱臼後に血行障害が起きている場合には、ピンやプレートで骨を固定することもあります。
手術後も、固定具の装着やリハビリが必要で、術後の経過を見ながら徐々に手首の機能回復を目指します。

5、 緩解期間とリハビリのポイント

月状骨脱臼の緩解期間は、治療方法個々の患者の状態によって異なります。
保存療法が選択された場合、通常は4〜6週間程度の固定期間が必要です。
その後、リハビリを含めて3ヶ月程度で痛みが改善され、手首の可動域も回復してくることが期待されます。

一方、手術が必要なケースでは、手術後の回復期間として、固定具を使用する期間が約6週間程度続きます。
手術後は、リハビリテーションを通じて筋力と可動域の回復が重要になりますが、完全な回復には3〜6ヶ月程度かかることが一般的です。
特に、手術後の経過やリハビリの進行具合により、回復までの期間は個人差があります。
焦らず、適切なリハビリを行いながら、徐々に日常生活へ復帰していくことが大切です。

まとめ

月状骨脱臼は、手首の激しい衝撃や捻りによって発生する脱臼で、早期の診断と適切な治療が不可欠です。
脱臼が放置されると、手根管症候群や関節炎、さらには骨壊死のリスクが高まり、後遺症が残る可能性もあるため、速やかな対応が求められます。

治療方法は、保存療法と手術療法の2つがあり、軽度な場合はギプスや固定具を使用した保存療法で回復が期待されますが、重度な場合や合併症がある場合は手術が必要です。
緩解期間は、治療方法により異なりますが、数ヶ月のリハビリを経て完全に回復することが可能です。

諫早市の整骨院えんでは、早期の診断と適切なリハビリサポートを提供し、患者様が手首の機能を最大限に回復できるよう全力でサポートいたします。
月状骨脱臼の痛みや不安を抱える方は、ぜひご相談ください。