当院にも変形性股関節症(以下変股症)の患者様が多数いらっしゃいますが、変股症というのは例に漏れず長いお付き合いをしないといけない症状の一つとなります。

変股症に限らず股関節に症状を訴える方は治療後緩解してもやはりのちに症状が再発し緩解と再発を繰り返す方が圧倒的に多いです。

 

当院では股関節に症状を訴えられる方に関しては各種徒手検査にてまず変形の有無・程度を確認させて頂きます。

変形の進行中の方は痛みも出やすく症状も比較的取れづらくもなってしまいますが、股関節の周りの環境(筋肉)を整えてあげることにより、断然症状を軽くすることができます。

『変形が強いからもうこの痛みはしょうがない』なんて思わず、一度ちゃんと治療してみて下さい。

必ず楽になるはずです。

 

股関節に問題を抱える方は大きく分けて下記のパターンに分けられます。

①股関節に変形があって痛みもある方

②股関節に変形は無い(問題も無い)けど痛みはある方

③股関節に変形は有るけど痛みはさほど無い方

 

ではそれぞれ。

 

①股関節に変形があって痛みもある方

ですが、変形があるからといって必ずしも痛みがあるとも限りません。

変形があっても痛みが特段無いという人も多数います。

ではそもそも何が原因になって痛みが発生しているかというと、実は周辺の筋肉なんです。

↑は大腿四頭筋ですが、太ももの筋肉というのはほぼ股関節を跨いで骨盤まで付着しているため、股関節の症状と非常に密接です。

なので、変形のある無いに関わらずふとももの筋肉が過緊張したり、短縮したりすることにより痛みの原因となります。

股関節に症状がある方というのはこの辺の筋肉に100%なにかありますが、変形が進行中の方に関してはその痛み+αでより強い症状となりやすいです。

したがって、周りの環境を改善することである程度までの症状の改善はできますが、痛みが完全に取れるかは治療をやってみなければわからないという現状です。

ですが、治療することにより確実に楽にはなります。

 

②股関節に変形は無い(問題も無い)けど痛みはある方

ただ変形が始まるその時である、ということもありますが、そうであったとしても周辺の筋肉による影響が強いです。

上図のような箇所の特定に筋肉が過剰に緊張しているとしても『なぜそのような筋肉が過剰に緊張してしまったか?』というのが非常に重要です。

太もものある一定の筋肉が一つだけ過剰に緊張してしまうということはそのような使い方をしているからなんです。

『なぜそうなってしまったか?』というのを第一に考え治療にあたることで結果的にその股関節の症状は改善しやすくなります。

 

③股関節に変形は有るけど痛みはさほど無い方

変形したものは戻りませんが、実は痛みは変形と直接関係しているわけではありませんので、周りの環境(筋肉の状態)が良ければ痛みはさほど出ず生活できます。

ただやはり変形があるということは痛みの発生にも近いので、『いかに良い状態を長く維持できるか』『いかに変形している箇所に負担をかけないか』という目的で治療にあたることが必須です。

痛みの発生予防としての治療の役割も非常に重要になります。

 

 

 

以上状態により分けて書いてみてますが、結局痛みやしびれなどの症状は原因が明確にあるはずのものですので、その原因をしっかりと除去し、いかにその部位に今後負担をかけず過ごせるか、というのが非常に重要であり最も大事な課題でもあります。

変形性股関節症の患者様は変形の度合いに関わらず長く付き合っていかないといけないものですので、日頃のケアをいかにちゃんとやっているかが、今後楽に過ごせるかの分かれ目です。

痛みが無いからなんとなく過ごしているのではなく、早目早目の対処をオススメ致します。