多くの人が勘違いされてますが、よく考えてみて下さい。
御年配の方でとてつもなく、背中~腰が曲がった方、酷いO脚の方、X脚の方。
もしレントゲンで骨だけを見てみると、間違い無く変形しまくっています。
しかしですよ、そのような方の中には、痛みは全然無いという方も実は少なくありません。
あれだけ骨自体は変形しているにも関わらず、です。
実は骨自体はどうこうなろうが、『骨が痛い』という訳ではないんです。
痛いのはその周りの骨膜、及び周りの筋肉が由来なんです。
【では変形が強い人の痛みってなんなのか??】
膝や股関節に関わらず、骨には絶対に筋肉が付着しており、その付着した筋肉というのは、一定方向に向かって、伸びています。
例外は一つだけありますが、基本≪骨~筋肉~骨≫なんです。
例)↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
上図は右太ももを前面から見た絵ですが、筋肉というのはほぼ全部どこかの関節を跨いで骨から骨に付着しております。
上図の筋肉は膝関節と股関節を跨いておりますので、
関節の変形に関しては、その変形した関節の上下の筋肉というのが、絶対的に関わってきます。
そのほとんどが『過剰に緊張している状態』又は『筋肉が落ちて縮んでいる状態』です。
いづれも『筋肉が硬くなっていて上手く働いてくれない状態』といえるでしょう。
するとなにが起こるかというと、まずは動かし辛くなります。
『膝(足)が上げ辛い』、『よくつまづく』、『なんかダルイ』なんかも上記の状態が当てはまりますね。
しかしその筋肉自体が痛むかというと、そうでもありません。
もちろんその部分が痛くなる場合もありますが、ほとんどの場合、その筋肉にまつわる関節の部分に痛みが出現します。
そうです。膝関節や股関節です。
膝関節や股関節に変形がある人の痛みの原因は筋肉によるもの、という事が言えます。
骨膜からの痛みに関しては、急性期(骨折等)の症状に関しては十分考えられますが、それ以外の慢性的なものは考え辛いでしょう。
【痩せても痛みは変わらない】
特に変形性膝関節症の方に多く聞きますが、病院では結構な確率で『痩せなさい』と言われるようです。
中々簡単にサクッと言われる事が多いようですが、いや~ぁ、難しいですよね。
若い人ならまだしも70才台を超えて簡単に痩せろなんてひど過ぎます(汗)
常日頃運動してる人にはまだしも、一歩外に出るのも億劫な方にサラッと言うなんてその苦労をわかってないですよね・・・・・・・・
本当に楽になる事が確実なら百歩譲って良しとしましょう。
が、無理して痩せたとしても、筋肉も同時に落ちてしまう為、より状態としては悪くなることもあります。
結果、本当に痩せたとしても症状自体はそう変わらないというのが現実でしょう。
必ずしも痛みの原因は『太っている事』ではありません。
【変形が強い人でも痛みは取れる】
経験から書かせて頂きますが、関節そのものに強い変形があったとしても、その痛みは取れる場合が多いです。
正直関節そのものの変形を治す事はできませんが、その周りの環境を整えてあげることにより、その痛みは絶対に軽減します。
その上下の筋肉の調整はもちろん、そこへかかる負担が少なくなるように足の使い方を調整してあげれば症状は軽減します。
加えて、全体的な姿勢という観点で上半身の影響も無いとは言えません。
簡単に言うと、猫背が強い人はそれだけ身体の前面にかかる負担が大きくなるため、膝関節にしても股関節にしても、悪影響を及ぼします。
逆に言えば、上半身の治療をすることで下半身にかかる負担を減らせますから、結果的に下半身の症状を軽減することもできるのです。
変形してる箇所だけ見たとしてもなにもできません。
要はその人が、『普段どういう使い方をしているか』や、『どこにどう負担が掛かって痛みとなっているか』という事を、しっかりと見直す事だと考えます。
【まとめ】
●変形するという事は、長い期間の積み重ねの結果でもある為、その痛みは中々パッタリとは取れないというのが実際のところですが、少しの治療でも症状自体はだいぶ落ち着きやすいです。
●『痩せなさい』というのは、人によってはそうした方が身体の事を想えば良いかも知れませんが、かといって痛みや症状が改善するかといったらそうとは限りません。
●変形自体を元に戻す事はできなくても、痛みが出ている原因と特定して、それを改善させ、効率的で使いやすい身体に導いてあげる事で、変形したままでも、症状は驚くほど改善します。
★そして何度も書きますが、電気流してもなにも意味ありませんよ。