五十肩と普通の肩の痛みの違い
一言で言えば『他動での運動制限が有るか否か』だと考えてますが、わかりやすく言うと自分で自身の力のみで挙げるのではなく、第三者が当事者の肩(腕)を挙げようとしても一定のところで固まった感じがあり、それ以上はどうにも挙げることができない。というのが、最たる特徴だと思います。
そもそも五十肩とは?
あくまでも正式名称じゃないというか通称『五十肩』なので、定義もなんだか曖昧です。
正式には《肩関節周囲炎》とも言いますが、上記でも書いた通り、他動的な運動制限があります。
つまり固まってます。
痛みが有るか否か、というのはそれぞれです。
一般的に一定期間が過ぎると痛みは落ち着き、運動制限のみとなります。
痛くはないけどどうやっても挙げるの無理、といった状態です。
五十肩の初期段階での特徴としては夜間に痛みがあることもあります。
そして黙ってても疼くような痛みを訴える方も多く、これを安静時痛と言います。
この安静時痛があるうちはあまり積極的に動かしてしまうと、あとで痛みが強く出てしまいますので、日常生活はもちろん治療に際しても注意が必要です。
五十肩以外の一般的な肩の痛み
あたかも関節内のような痛みであっても実際に関節内部に異常があっての痛みというのはそうそうありません。
痛みのほとんどの原因は周辺の筋肉によるものです。『スジ』ってやつでしょうか。
そもそも一般的に言われる『スジ』というのも実際は筋肉であり、医学用語ではなく通称です。ニックネームみたいなもんです。
話がズレましたが、要するにほとんどの痛みが筋肉由来のものであり、その筋肉の状態を良い健全な状態に導ければ自ずとその肩の痛みも消失するというわけです。
ではどの筋肉が原因となって肩の痛みが出現するかというと、
↑肘と方の間にある筋肉ですが、上腕二頭筋と上腕三頭筋といいます。
これらの筋肉は肘関節と肩関節の二つの関節を跨いで付いており、肘の動きと肩の動きに非常に関りが深い筋肉です。
肘の動きと肩の動きに関りが深いということは、痛みに関しても関りは深くこれらの筋肉が原因となった肩の痛みというのは非常に多いです。
メインの原因にはならずとも、肩周辺の痛みにはほぼ100%どこかでからんでくる筋肉とも言えます。
その他で言えば↓
とかとかとか、
要するに痛みに関わってくる箇所、痛みの原因となる箇所というのは、様々な筋肉が作用して結果的に肩の痛みになっているということです。
上記の筋肉等が主要な原因となりますが、もちろん腰付近の筋肉なんかも関係しますし、あんなとこやこんなとこなんかも関わってはきます。
言ってしまえば全体の使い方の結果ということですね。
五十肩の痛みについて
運動制限ありきの五十肩だと考えますが、痛みに関しては『たとえ運動制限があったとしても割と痛みはない』という方も少なくありません。
そもそも五十肩の方に関しては、初期段階では痛みが強いものの、中長期に入るにあたり痛みが消失し運動制限が強く残る、といった方の方が多く存在します。
では、その痛みはどういった理由で出現しているのか?
というと、上記の五十肩以外の一般的な肩の痛みと原因はほぼかぶるところです。
しかし中にはどうにも痛みが強く、黙って横になっている時にもズキズキと痛みが消えないというパターンも御座います。
その場合は《石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)》という症例も忘れてはなりません。
この場合ですと、当院を受診の方でも一度病院の受診をお勧めしております。というか病院に行かなければ痛みは治まりません。ステロイドや石灰吸入等の注射が有効とされています。
そうでない場合は肩の可動域の問題等を踏まえた上で『どこの何が一番痛みの原因になってるかというのを探りそれを解決するように治療』していきます。
初期の強い痛みが落ち着いてくれば可動域を少しずつ広げる目的での運動法も非常に有効です。
ただ一定可動域以上頑張り過ぎて動かしてしまうとあとで痛みが強くなるので、要注意です。我々治療家側も非常に注意深く治療にあたります。
五十肩を含む肩の痛みへは鍼治療が有効です
当院では患者様に説明したうえで患者様の希望があれば普通に治療と並行して鍼治療も行っております。
当院の方の痛みへの鍼治療のやり方としては、上記で書いたようにまず痛みの原因を特定してその箇所を緩める目的で一定部位に鍼を打ちます。
鍼をしない場合だとそれを手技(手)で行うのですが、鍼治療の場合の方が特定の筋肉をピンポイントで緩めるということに長けておりますので、どちらかというと鍼治療の方が有効となります。
肩の痛み色々に対する当院の対応
単に肩の痛みといっても原因は様々でその原因によって対処方法は異なります。
まずはその痛みの原因を的確に探り的確に治療することにより、痛みを軽減させるということが当院のベースとなる治療です。
そして鍼を希望される方には鍼治療を併用して、鍼が苦手な方にはもちろん手技のみでの治療とさせて頂いております。
自身ではどうにもどのような肩の痛みかというのはわかりませんでしょうが、当院ではしっかり診させて頂いて、説明もできる限りわかりやすくさせて頂きますので、ご来院頂ければ光栄で御座います。