1. バートン骨折とは?場所と種類の解説
    • バートン骨折の基本的な説明
    • 骨折が発生する場所(手首の橈骨遠位部)
    • 種類(伸展型と屈曲型)
  2. バートン骨折の主な原因とは?
    • 転倒や事故による衝撃
    • リスク要因(高齢者、骨粗鬆症など)
  3. バートン骨折の整形外科的見解と診断方法
    • 診断方法(X線、CTスキャンなど)
    • 骨折の特徴と診断基準
  4. バートン骨折の治療方法
    • 保存療法と手術療法
    • ギプスやプレートを使った治療
    • 治療後のリハビリの重要性
  5. バートン骨折の回復期間とリハビリの進め方
    • 一般的な回復期間(3〜6ヶ月)
    • リハビリでの可動域回復と筋力強化

1,バートン骨折とは?場所と種類の解説

バートン骨折とは、手首の橈骨(とうこつ)遠位部に発生する骨折の一種です。
この骨折は、手首の骨である橈骨の関節部分に影響を与え、骨折だけでなく関節のずれ(脱臼)を伴うことが多いです。
通常、手首に強い力が加わった際に発生し、特に転倒や事故などで手をついた時に多く見られます。

バートン骨折には主に2種類があります。

  1. 伸展型バートン骨折:手首を背屈(手の甲側に曲げた状態)した際に発生します。
  2. 屈曲型バートン骨折:手首を掌屈(手のひら側に曲げた状態)した際に発生します。

この骨折は、一般的な手首の骨折と比べて、関節のずれを伴うため、治療がより難しくなる場合があります。
特に、治療後の手首の機能回復に時間がかかることがあるため、早期の治療と適切なリハビリが重要です。

2,バートン骨折の主な原因とは?

バートン骨折は、転倒時に手をついた際の衝撃によって発生することが多く、交通事故やスポーツ中の接触でも見られます。
特に高齢者骨粗鬆症を患っている人は、骨が脆いためリスクが高いです。
日常生活で手首を守るためには、手首のサポーターやリストガードの使用が有効です。

3,バートン骨折の整形外科的見解と診断方法

バートン骨折は、整形外科的には関節内骨折の一種として分類されます。
このため、単純な骨折よりも複雑で、正確な整復が必要です。
関節部分のずれや脱臼を伴うため、手術が必要なケースも少なくありません。
特に、関節内のずれが放置されると、将来的に関節の動きに制限が生じたり、変形性関節症などの合併症を引き起こすリスクが高まります。

診断には、X線検査が最も一般的に使用されます。
これにより、骨折の程度や関節のずれを確認し、適切な治療法を選択します。
場合によっては、さらに詳しい診断を行うためにCTスキャンMRIが用いられることもあります。
これらの画像診断に基づいて、骨折の位置やずれの程度、周囲の軟部組織の損傷状態が評価されます。

また、バートン骨折は手首の機能に大きく影響を与えるため、早期の診断と治療が重要です。
放置すると関節の可動域が制限されるリスクがあり、日常生活での手首の使用が困難になる可能性があります。

4,バートン骨折の治療方法

バートン骨折の治療は、骨折の重症度や関節のずれの程度に応じて異なります。
治療法は大きく分けて保存療法手術療法の2つがあります。

  1. 保存療法: 軽度のバートン骨折では、ギプスやスプリントを使用して手首を固定し、骨が自然に治るのを待つ方法が選ばれます。この場合、手首の関節が適切な位置に戻り、ズレがないことが条件です。通常、固定期間は4〜6週間ほどで、その後、徐々にリハビリを開始します。
  2. 手術療法: 重度のバートン骨折や関節のずれが大きい場合は、手術が必要となります。一般的には、金属プレートやスクリューを使用して骨を固定し、正しい位置に戻す方法がとられます。手術後はギプスやスプリントでの固定期間が必要となり、その後、リハビリを通じて手首の可動域を回復させます。

いずれの治療法でも、リハビリテーションが非常に重要です。
手首の可動域を取り戻し、筋力を回復させるためには、段階的なリハビリが必要です。
特に、骨折が完治しても、筋肉や靭帯が硬くなることがあるため、定期的な運動やストレッチを行うことが重要です。

5,バートン骨折の回復期間とリハビリの進め方

バートン骨折の回復期間は、骨折の重症度や治療法によって異なりますが、通常は3〜6ヶ月かかるとされています。
保存療法の場合は、ギプスでの固定期間が約4〜6週間で、その後リハビリを進めながら回復を図ります。
手術療法の場合も同様に、術後数週間の固定期間を経てからリハビリが始まります。

リハビリでは、関節の可動域を広げる運動や、筋力を回復させるトレーニングが行われます。
リハビリの初期段階では、無理に動かさず、徐々に関節の柔軟性を高めることが重要です。
次第に負荷を増やし、手首の筋力を取り戻していきます。

また、リハビリ期間中に痛みが再発しないようにすることも重要です。
過度な負荷をかけると再び損傷を引き起こす可能性があるため、専門家の指導のもとで適切な運動を行うことが求められます。

まとめ

バートン骨折は、手首に強い衝撃が原因で発生する骨折で、関節のずれを伴うことが多いため、早期の治療とリハビリが重要です。
保存療法や手術療法を選択し、3〜6ヶ月の回復期間をかけて手首の機能を取り戻すため、無理をせずに専門家の指導のもとで治療を進めることが大切です。