滑って転んだんですけどね。
私が。
えぇ、『転んだ』ではなく、『滑って転んだ』んです。
結構派手に。
外で。
あ~恥ずかし。
ある昼下がりの午後
さて、ワタクシお昼休みは患者様の自宅とか施設に往診に行っているのですが、その日はご自宅にお伺いして治療して帰るという時でした。
ちょうど先週ぐらいまでは雨が降り続く日々でずっとジメジメしてましたよね。
多分それでコンクリート駐車場の表面も日々少しずつ苔が育っていたんだと思います。
玄関を出て自身の車の戻る際、左に曲がろうとしたその瞬間でした。
想像してみてください。
左足がツルンっと。
コケた・・・・・
左のお尻からズドンと。
咄嗟に左手で身体を支えてましたよ。
結果、ズボンの左側が多少汚れて左手のひらは苔?雨ということもあり結構な汚れ方。
外なのでとりあえず何事も無かったかのようにあと2m先の自分の車に戻ります。
幸いその時はちょうど雨は降っていなかったのですが、もちろん地面は濡れていたので、よくよく見てみてもまぁ中々の汚れ方。
汚れなんやらかんやらはとりあえずもうしょうがないのですが、身体はそう痛くなかったので、あぁとりあえずそれは良かったなと思っておりました。
思ってたんですけどね。
思ってはいたんですけど・・・・・
やっぱり。
次の日ですよ、次の日。
もっと言えばそのまた次の日。
二日後ってやつです。
『あ~やっぱ色んなところに力入ってたんだなぁ~』ってつくづく思いました。
常日頃患者様には何回も何回も痛みの発生機序を説明させて頂いておりますが、まさに自分の言うとおり。
あっちがギシギシこっちがギシギシ。
頭なんかも全然意識なんてしてもいませんでしたが、首回りや背部にかけてギシギシギシギシ。
さて、そこでなにが身体に起こっていたかまとめてみましょう。
状況は《左に曲がろうとして左足が滑って左側に転倒し、左臀部から落下、咄嗟に左手で身体を支える》です。
まずはどこにも力を入れなかったらばどうなるかを想像します。
左のお尻から落ちたわけですから、その勢いで左肩から落下するとともに頭も地面に一直線。あぁ危ない危ない。
基本的に身体はそうさせないように踏ん張ります。
左肩から落下するのを防ぐため体幹は全力で右側に身体を起こすように頑張ります。
めっちゃ力入っているでしょうね。自分が持っている力以上に。
そして頭部に関しても力入れないと頭から落下してしまいますから、そうならないように頭部を逆方向に持ち上げようとします。
だいたい7~8kg程の重量物が中々の勢いで移動しているのを止めるというのを考えただけでもそれなりのパワーが必要になるのを想像できるはずです。
なにもないゼロの状態から急にそんな馬鹿力にも似た力を入れる。
それはつまり、朝起きた瞬間いきなり全力ダッシュのような感じで筋肉を働かせるということです。
いや、これはちょっと違うかも。
にしても、そりゃあそれに見合う筋力を持ち合わせていない場合は、自分の筋肉がその仕事をまかないきれませんから、あとでガッツリお返しが来るような感じですね。
簡単に言うと、筋肉痛です。
またはあまりに緊張の度合いが強いと、慢性的な筋肉の過緊張状態におちいります。
そして身体全体を支えた手ですよね。
ほぼ全体重を左肩で支えた形となりますから、私の肩周辺の筋肉はびっくりして緊張しまくっていました。
挙がりませんでしたよ、肩。
身体を守らないと、と。
そうです。
コケる行為自体というよりもそれにより危機に面した自身の身体を守る為にあらゆるところに力が入ることが、のちの痛みの原因となるのです。
●頭を守る為首回りや背部の筋肉がいきなり急激に力をいれたもんで疲れた。
●身体を支えるためにいきなり手をついたんでその付け根の肩周辺が頑張り過ぎて疲れた。
●お尻から落ちた衝撃から身体を守る為色々力を入れ過ぎて疲れた。
全て少しでもコケたことによる被害を最小限に抑えようと身体の各部位が頑張ってくれた成果です。
なんでその時はそんなに痛くないの?
アドレナリンです。
脳内物質が痛みをかき消しているからです。
交通事故なんかもそうですが、数日して落ち着いてくると身体は正直に反応してきます。
あとは筋肉痛もそうですが、あとで来ますよね。
1日後に来るか2日後に来るかはその人の通常の使い方次第となり、通常全然使っていないような方はやはり筋肉痛が来るのも遅く、2~3日後に来る方もいるようです。
しかし半年前ぐらいにも階段から滑り落ちたしワタシなんなんでしょうね。